加藤曙見書作展 - 子規俳句を書く -

会期:2008年11月14日(金)〜17日(月)
時間:11:00〜18:00(最終日16:00まで)
会場:毎日アート出版画廊
入場無料 電話03-3233-7392(会期中)
※会場にて今回の作品展図録を販売予定。加藤さんのペンネームに関する秘密も分かる予定です。

今回で11回目となる加藤曙見(あけみ)さんの書作展です。
正岡子規の俳句を書く。
“柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺”
たった十七文字の日本語が百年以上たった今も、伝えられ唱えられている。
ここに至ると、この句と正岡子規どちらがすごいのか、わからなくなる。
ただ、日本人は歌が好きなんだなあ、と今回の作品写真を見て、子規の句を口ずさみながら、僕は思う。(O)

加藤曙見さんは2010年秋、病気のためお亡くなりになりました。
残念です。残念。

いくたびも雪の深さを尋ねけり 
「俳句は短いので、音や言葉が、さまざまなイメージを呼び起こす。また、そのイメージは人によって違う。言葉が視覚として目に入った時、ひらがなと漢字では違うイメージを与える。字の形や太い細い大きい小さいによっても違う。書は黒と白でできている。黒といっても薄かったり滲んでいたり、茶や紫や灰色や青みがかっていたりする。黒の部分が多い書もあれば白の部分が多い書もある。
私は、書を絵のつもりで書いている。墨で書いてあるのは言葉、白い部分は余白でなく、それを含めて一枚の絵。言葉を書いて情景を描きたい。」     
(作品図録作家あとがきより抜粋)  
黒きまでに紫深き葡萄かな
牡丹の芽ひたぶる霜を恐れけり
山陰(やまかげ)に虎杖(いたどり)森の如くなり 
首あげて折々見るや庭の萩 
夕立やはちすを笠にかぶり行く 
藤の花長うして雨ふらんとす 
加藤曙見略年譜
昭和 53年 書道会に所属。当初より自由に書きたいと考えていた。
58年 千葉の書家、木村三山に出会う。木村の主宰する現代書詩創風会に入会。
63年 木村三山逝去。初個展「加藤曙見書作展」開催。
平成 元年 福井市内で個展開催(以後9年まで毎年)
6年 「春爛漫」展(長崎県島原市)出品。(以後毎年)
9年 個展「萩原朔太郎を書く」(12月、東京神田・毎日アート出版画廊(1))
10年 共同展「フォーシーズンズ」(9月、伊豆下田・ギャラリー田)
11年 個展「女色夢幻」(7月、東京神田・毎日アート出版画廊(2))
12年 個展「五月の鷹−寺山修司の作品より」(11月、東京神田・毎日アート出版画廊(3))
13年 個展「私の上に降る雪−中原中也を書く−」(11月、東京神田・毎日アート出版画廊(4)、翌6月福井市・ギャラリーサライ、11月、山口市・中原中也記念館)
14年 個展「山頭火行乞記より」(11月、東京神田・毎日アート出版画廊(5))
15年 個展「あんずよ燃えよ−室生犀星詩より−」(9月、金沢弥生郵便局、11月、東京神田・毎日アート出版画廊(6))
16年 個展「イノセント -宮沢賢治を書く-」(9月、金沢弥生郵便局、11月、東京神田・毎日アート出版画廊(7))
17年 個展「放浪 -金子光晴を書く-」(9月、金沢弥生郵便局、11月、東京神田・毎日アート出版画廊(8))
18年 個展「-ランボーを書く -」(9月、金沢弥生郵便局、11月、東京神田・毎日アート出版画廊(9))
19年 個展「歌-中野重治を書く -」(9月、金沢弥生郵便局、11月、東京神田・毎日アート出版画廊(10))
20年 個展「子規俳句を書く」(9月、金沢弥生郵便局、11月、東京神田・毎日アート出版画廊(11))
作品集:「私の上に降る雪−中原中也を書く−」(発行:ジャパンビルド)
    「山頭火行乞記より」(〃)
    「あんずよ燃えよ -室生犀星詩より-」(〃)
    「イノセント -宮沢賢治を書く-」(〃)
    「放浪 -金子光晴を書く-」(〃)
    「-ランボーを書く -」(〃)
    「歌 - 中野重治を書く-」(〃)
過去の展覧会(クリックしてください)