山口和男新作油彩画展on web

 2-3年に一度のペースで当社での個展をお願いしている山口和男さん。当初から写実的な静物画を描いていましたが、昨今の若手画家の超が付く技巧派の精密な静物画などとはうってかわって、柔らかい筆致でどちらかというとblurな質感が魅力です。若い頃に旅したヨーロッパでは時間の許す限り美術館に通い詰め、気になった作品の前では時を忘れ数時間も見入っていた、と伺いました。きっと写真よりもくっきりと脳裏に焼き付けていたんだろうと思います。描き込んで精密に描くことより、いかに少ない筆で存在感、現実感を表現できるか。おそらくこう考えている静物画家は少ないのではないかと思います。どうやって描いているのか分からないほど緻密な静物画も、その技術力に舌を巻き感動しますが、なんでこんなにラフ(失礼!)に描いているのに存在感があるんだ、という静物画には絵画の持つ魔術を見ているようで嬉しくなります。是非、いろんな作家の写実画をたくさん見比べてみて下さい。画家の精神がこんなに隠されているのかと驚きますよ。


会期:2005年1月17日(月)-20日(木)
会場:毎日アート出版1階画廊

「麦酒瓶と林檎」4号F
「南瓜」3号F
「ワインと林檎」15号M
「ワイングラスと桃」6号P
「サザンカ」6号M
山口和男略歴
昭和25年 神奈川県に生まれる
  44年 お茶の水美術学院にてデッサンと油彩画を学ぶ
  49年 中央大学商学部卒業
  54年 日洋展出品
      渡欧
  55年 個展(銀座松坂屋、横浜松坂屋)
  57年 個展(大丸東京店、以後4回)
  58年 個展(大丸四条烏丸、以後2回)
  60年 個展(池袋東武、以後連続20回)
  61年 日洋展奨励賞受賞
  62年 日洋会会員(平成2年まで)
平成 3年 個展(ギャラリー毎日、以後3回)
  10年 個展(毎日アート出版、以後隔年)
  11年 個展(千葉そごう)
  12年 第5回世界学術貢献奨作品金質奨入賞(中国)
      世界文化名人成果金象奨入賞(〃)
  13年 パステル画展(松戸伊勢丹)
   ハプスブルク芸術友好協会宮廷芸術特別会員
現在 無所属
2000年8月〜2003年12月までここに掲載された展覧会です