加藤曙見書作展

「あんずよ燃えよ -室生犀星詩より-」
会期:平成15年11月22日(土)〜26日(水)
開場:11:00-18:00(最終日16:00まで)
会場:毎日アート出版1階画廊
入場無料

 福井の書家加藤曙見さんの当画廊では5回目となる書作展。今回は金沢出身の作家・室生犀星(明治22-昭和37)の作品を題材にした書を発表する。抒情詩人として詩壇に衝撃を与えたあと、小説家としても時代を代表する作品を残した室生犀星。加藤さんは今回の個展に先立つ9月、犀星の故郷・金沢市での初個展を開催した。
“室生犀星の抒情は甘いが辛い。それを表現したかった。私の書は文学として 見てほしい。”と加藤さんは語る。
 過去の個展で朔太郎、中也、山頭火らのことばを書として発表しており、決して寺山修司や中原中也となって筆を染めているはずはないのだが、なぜだか彼らの気持ちを実感する思いがいつもある。視覚表現としての書である以前の「ことだま」としての書。「文学として 見てほしい」という思いが伝わる秋の展覧会です。

犀星詩「小景異情その二」
犀星詩「雪くる前」
犀星詩より
犀星詩「老いたるえびのうた」より
犀星詩「犀川」
加藤曙見(かとうあけみ)
福井県福井市生まれ。昭和53年より書を始め、58年に千葉の書家、木村三山に出会う。
会に属さず自由に活動する木村の姿に感銘を受ける。63年に木村が逝去した後、漢詩、
歌、誌などをテーマに初個展を開く。以後、年一回福井市内で個展。
平成6年からは長崎市島原市の復興イベントの一環で「春爛漫」展に出品。また、東
京などの画廊で個展や現代歌人、詩人達とのコラボレーションでも作品を発表していく。
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