松久宗琳佛所・作「夢違観音」 
ブロンズ

清麗で柔らかな笑みを浮かべ
 悪しき夢を良き夢に転じるという観音さま
斑鳩 法隆寺
 白鳳期の国宝 夢違観音を貴重なブロンズ像で再現

白鳳期の国宝「夢違観音」
 世界最古の木造建築物として世界遺産にも登録されている奈良・法隆寺。そこに「夢違観音」とよばれ慕われている金銅製の仏像があります。正式名は「観音菩薩立像」。制作年は7世紀から8世紀にかけてとされており、白鳳時代の仏さまの代表的御像です。像高は87センチと大きいものではありませんが、悪い夢を良い夢に代えてくれる観音様として古くから信奉を集めて来ました。昭和27年に国宝の指定を受け、現在は法隆寺大宝蔵殿(平成10年完成)に安置されています。
 清らかでやさしい表情の御顔。当時の渡来仏に多く見られる動きの少ない姿勢ながら、曲線が強調され、その後の日本的な造形が現れています。三面の宝冠を被り、正面にある化仏は観音であることを示しています。胸元にみえる飾りは瑤珞(ようらく)と呼ばれる装身具です。
 彫刻家で詩人の高村光太郎は、随筆集『美について』のなかで、夢違観音について次のように述べています。
…わずか二尺八寸余の小像であるが古来世人の恭敬愛慕絶ゆる事なく、悪夢を善無とかえてくださる御仏として礼拝されて来たという。そういう伝説に値する美が確かにある。この像には既に大陸の影響が十分に消化せられて、日本美独特のものが備わっているが、前に述べた清らかさ、高さ、精神至上、節度というようなものに加え、更に疑念なき人なつこさの美がある。これが大和民族の本能から来ているところに意味がある。…
…こういう清らかな人なつこさは世界の美の源泉中に類が無い。そしてまたこの美は世界に一つの新らしい美を開く。

 このたび松久宗琳仏所では、あらたに「夢違観音」の木彫原型を制作。わが国が誇る鋳造技術で、気品ある貴重なブロンズ像として再現いたしました。日本の美術の息吹がかおる白鳳期の観音さまを、末永く御愛蔵していただきたくご案内申し上げます。

  
胸より上の拡大図(クリックして下さい)
【仕様・体裁】
 本体:ブロンズ製
  天地:44.5cm
  左右:12.5cm
  奥行:11.8cm
  重量:約5kg
 桐箱付(松久宗琳仏所直筆題簽、署名、落款入り)
 木製台付
※完売致しました。ありがとうございます。

 

  

“松久宗琳佛所”
 大仏師の松久宗琳師が、父・朋琳師と相携え「京都佛像彫刻研究所」を創設されたのが昭和三十七年のことです。以後、聖徳太子の“和”の精神を心に、運慶、快慶の技を手本に数々の仏像の傑作を世に生み出しました。また、後進の指導にも尽くされ、現在、大仏師の称号を持つお弟子さんが四人も育っております。しかし、正統派京仏師として頂点を極められた宗琳師は平成四年享年六十六歳で他界されました。
 宗琳先生歿後、遺族と四人の大仏師を含む弟子が、それまでの京都仏像彫刻研究所の名称を「松久宗琳佛所」と改め、正統派京仏師の宗琳様式を継承し制作された仏像に“宗琳仏”と銘を刻み、日々研鑽を重ね、仏像づくりに努めています。

松久宗琳佛所略年譜
昭和37年 松久宗琳師「京都仏像彫刻研究所」を創設
平成4年 宗琳師逝去にともない、“京都仏像彫刻研究所”を“松久宗琳佛所”と改称
     松久宗琳の遺作と松久真や・佳遊作品展(東京・報道出版株式会社主催)
     岡山清瀬寺 大日如来、不動明王、弘法大師像
平成5年 東京正法寺 釈迦三尊、七福神、観世音菩薩等22体 松久宗琳佛所作品展(東京・報道出版主催)
平成6年 香川子安観音寺 観音三尊 十三仏 神戸明照寺 薬師三尊
平成7年 松久宗琳佛所作品展(東京・報道出版主催) 四国聖天寺 如意輪観音修復
平成8年 松久宗琳佛所作品展(東京・毎日アート出版画廊 10,12年も) 広島浄福寺 薬師如来座像修復
     佐賀妙法寺 吉祥弁財天竜王 福島日本敬神祟祖百修団 空王仏
平成9年 岐阜正道院 阿弥陀如来 鳥取最勝寺 愛染明王 東京堀ノ内学園 釈迦如来
平成11年 北海道宝性寺 阿弥陀像 滋賀長福寺 善導、法然上人、阿弥陀如来
平成12年 奈良吉野金峯山寺 役行者三尊、釈迦如来、千手観音、不動三尊、弥勒菩薩を五年の歳月をかけ完成
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