上村松園 重要文化財「序の舞」〈軸装〉
[ 限定200 部]

【仕様・体裁】
●版式技法:ピエゾグラフ シルク
  スクリーン絹本彩色 
●画面寸法:91.5cm ×横55.6cm
●軸寸法:縦180cm ×横75cm
●軸装:三段本表装仕立 
●天地:正絹 白茶節魚子 
●中廻し:正絹 金銀欄萌黄波花霞
●一文字・風帯:正絹 白茶地合金
  羽二重唐花 
●軸先:新象牙 
●箱:柾目桐印龍箱 
●原画所蔵:東京芸術大学大学
  美術館 
●発行:日本美術出版
税込価格350,000円


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上村松園 重要文化財「序の舞」〈額装〉
[ 限定200 部]

【仕様・体裁】
●版式技法:ピエゾグラフ シルク
  スクリーン 紙本彩色
  (版画用紙かきた) 
●画面寸法:91.5cm ×横55.6cm
●額寸法:縦114.3cm ×横78.4cm ●装幀:高級木製額金泥仕立 
●マット:銀泥仕立・アクリル入り 
●箱:黄袋・布張帙付 
●原画所蔵:東京芸術大学大学
  美術館
●発行:日本美術出版
税込価格350,000円


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ゆっくりとした 序の舞を舞う若い女性。 朱と鶯色を基調とした はれやかな色彩の中に、 目元から指先まで緊張感が漂う

 「序の舞」は、政府のお買い上げになったもので、昭和十一年度文部省美術展覧会に 出品しました。私の作品の中でも力作であります。 この絵は、私の理想の女性の最高のものと言っていい、 自分でも気に入っている「女性の姿」であります。 この絵は現代上流家庭の令嬢風俗を描いた作品ですが、仕舞のなかでも 序の舞はごく静かで上品な気分のするものでありますから、そこをねらって 優美なうちにも毅然として犯しがたい女性の気品を描いたつもりです。 序の舞は、ひとつの位をもった舞でありまして、 私は型の上から二段おろしを選んで描きました。 何ものにも犯されない、女性の内にひそむ強い意志を、この絵に表現したかったのです。 幾文古典的で優美で端然とした心もちを、私は出し得たと思っています。― 上村松園


髪を文金高島田に結い、大振袖に丸帯をきちんと締めた若い気品のある女性が序の舞を舞う。序の 舞とは特定の曲目をさす言葉ではなく、能の舞の一楽章の名で、序の舞,破の舞、急の舞とあるう ちで、最も動きが遅く静かな舞。この女性は面をつけていないから、能の一部を抜粋して練習する 仕舞の様子で、当時は、富裕な家庭の女性が教養としてたしなんでいた。江戸時代の女性風俗を好 んで多く主題とした松園にあって、当代風俗を描いた貴重な作例。画面中心軸右側に身体を配し、 上から三分の一のところで扇子を持つ右手を画面左側へ差し出す明快な構図で、鮮やかな朱で描か れた体に安定感があるのに対して、淡色で、描かれた着物の裾と振り袖が微妙な動きを示している。 一切の背景を排して、ゆっくりとした動きの中に左手の指先にまで神経を集中させている若い舞手 を描くことで、優美にして緊張感をはらんだ作品となった。


上村松園 (うえむら しょうえん)明治8年―昭和12年(文化勲章受章)
京都に生まれ、奈良県生駒郡で没。本名は津禰子、または常子。はじめ京都府画学校に学び、鈴木松年, 幸野楳嶺に師事、のち竹内栖鳳に師事。内国勧業博覧会で一等褒状、その後日本青年絵画共進会、日本 美術協会展、京都新古美術展覧会で受章。明治33年パリ万国博覧会で入賞し、女流画家として名声が 上がり、大正3年第8回文展「舞じたく」、4年第9回文展「花がたみ」が二等賞受賞。昭和10年春虹 会を結成。16年帝国芸術院会員に、女流画家として初めて任命。19年帝室技芸員。23年女性初の 文化勲章受章。清澄で流麗な美人画を描いた。代表作は「序の舞」「花ざかり」など。

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