東洲斎 写楽 全集

アダチ版 ◎注文制作 東洲斎写楽全集・各集内容

〈第一集〉
第一期から第四期の大判41図を収録。鮮烈なデビューを飾る大首絵28図は、背景の黒雲母(きら)摺りも印象的。二期になると背景は雲母摺りだが全身絵となる。また珍しい三枚続きの相撲絵は当時人気の大童山を中心に当時の人気力士が並ぶ三期の作で、四期にも大童山の大判は描かれた。

〈第二集〉
第三・四期の間判(あいばん)16図と役者版下絵、相撲版下絵18図の計34図を収録。大判と細判の中間の大きさとなる間判のうち11図は第三期の大首絵で、2図が同年に亡くなった二代目市川門之助を追悼した2枚続の追善絵、大童山の土俵入り図は間判でも描かれている。そして写楽の作品では珍しい武者絵2図が四期の作品として収録されている。また出版された写楽の144図の浮世絵とは別に、版下絵のみが現存する役者絵と相撲絵をコロタイプ版で18図収録している。

〈第三集〉
第二期の細判30図と三期の細判7図を収録。二期になると細判のための動きのある全身像が多くなり、二枚揃いや三枚揃いの役者絵が多くを占めるようになる。

〈第四集〉
第三期の細判40図と四期の細判10図を収録。演目ごとの揃い物の題材が増え、三期に入ると背景に樹木や障子、雪景色、道標、など舞台を思わせる図が多くなっている。また四期ではさらに家紋や流水紋などデザイン的な背景によって画面に変化を求めるようになってきている。

■東洲斎写楽が出現して217年、生没から本名・画系、そしてあまりにも短い活動期など、すべてが闇につつまれた謎の絵師。その正体の謎をめぐってはさまざまな推理が今日まで展開されてきました。写楽は寛政6年(1794)5月から翌寛政7年正月までの約9ヶ月という短期間に140数枚もの浮世絵版画作品を残しています。写楽といえばクローズアップの役者絵がよく知られるところですが、それは、初期作品のわずか28枚にすぎず、写楽のほんの一面を知るにすぎません。短い作画期間にもかかわらず作風もめまぐるしく変化しつづけたその作品群は一期から四期に分けて考えられています。このたび、(財)アダチ伝統木版画技術保存財団の監修のもと、写楽の全版画作品144図を手摺り木版画で、また写楽の浮世絵の原画とも言える版下絵18図をコロタイプ版画で復刻いたしました。

〈 写楽の足跡 〉
・第一期作品(寛政6年5月刊行)
都座「花菖蒲文禄曽我」/ 桐座「敵討乗合噺」「花菖蒲思笄」 / 河原崎座「恋女房染分手綱」「義経千本桜」など

・第二期作品(寛政6年7月〜8月刊行)
都座「口上姿」「傾城三本傘」/ 河原崎座「二本松陸奥生長」 「桂川月思出」/ 桐座「神霊矢口渡」「四方錦故郷旅路」など

・第三期作品(寛政6年11月〜閏11月刊行)
都座「閏訥子名歌誉」「鶯宿梅恋初音」/ 桐座「男山御江戸盤 石」「忍恋雀色時」/ 河原崎座「松貞婦女楠」「神楽月祝紅葉 衣」/ 都座「花都廓縄張」 ほか相撲絵、追善絵

・第四期作品(寛政7年1月刊行)
都座「江戸砂子慶曽我」「五大力恋緘」/ 桐座「再魁楳曽我」 ほか相撲絵、武者絵

【仕様・体裁】
総収録数/全162図 原寸復刻(全四集)・内訳=手摺木版画144図
(大判41図のうち雲母摺36図、間判16図、細判87図)コロタイプ版画18図
(役者版下絵8図、相撲版下絵10図)・各判画寸法=大判=約39×25.5cm
間判=約33×22.5cm
細判=約33×15.5cm
役者版下絵=約15×22 cm
相撲版下絵=約35×24.5cm
・各図ごとに台紙(共通53×38 cm)に綴じ、
全四集に分けて収めております。
〈第一集〉第一期から第四期の大判41図
〈第二集〉第三・四期の間判16図と役者版下絵、相撲版下絵18図の計34図
〈第三集〉第二・三期の細判37図
〈第四集〉第三・四期の細判50図
※各特製帙ケース入り
制作/株式会社アダチ版画研究所
監修/財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団
・彫師=大倉半兵衛 中島正治 佐藤寿緑吉 前田謙太郎 新實隆
・摺師=村田勝麿 浜野徳 織原弘 児島俊弘
・用紙=越前生漉奉書
別冊解説書/吉田暎二
専用木製額1点付(額寸55×40 cm)
【税込価格】2,310,000円

作品タイトル
第一集 27 三代 大谷鬼次 奴江戸兵衛



第一集 19 市川鰕蔵 竹村定之進



第二集 11 嵐龍蔵 奴なみ平 間判 第3期



第一集 12 二代 市川高麗蔵 志賀大七 大判 第1期



第四集 10 二代 坂東三津五郎 桂小金吾 細判 第3期



第三集 36 四代 岩井半四郎 おひな 細判 第3期



第二集 6 二代 山下金作 仲居おかね実は貞任娘岩手御前 間判 第3期



第一集 17 中島和田右衛門 ぼうだら長左衛門 中村此蔵 船宿かな川やの権 大判 第1期



第一集 37(右図)、38(中図)、39(左図) 大童山土俵入
(三枚続) 大判 第3期


第一集 1 三代 瀬川菊之丞 田辺文蔵妻おしづ 大判 第1期



第四集 48 市川鰕蔵 工藤祐経(『再魁 曾我』)細判 第4期



第四集 49 六代 市川団十郎 五郎時宗(『再魁 曾我』)細判 第4期



第四集 50 三代 市川八百蔵 十郎祐成(『再魁 曾我』)細判 第4期



第三集 16 二代 小佐川常世 帯屋長右衛門女房おきぬ 細判 第2期



第二集 10 二代 坂東三津五郎 奴くが平 間判 第3期



第一集 31 三代 市川八百蔵 不破伴左衛門 三代 坂田半五郎 子育観音坊 大判 第2期



第三集 9 市川富右衛門 猪の熊門兵衛 細判 第2期



第一集 16 四代 松本幸四郎 山谷の肴屋五郎兵衛 大判 第1期



第二集 4 三代 沢村宗十郎 孔雀三郎 間判 第3期



第四集 47 岩井粂三郎 芸者久米吉 細判 第4期


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